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アーカイブ 2023/12/03
 

レシピその455
バッバのストラッチ〜センチメンタルなメニュー〜


リエティに来ました。
私の故郷ともいえるところです。
この街に住んでいたのはたった6年でしたが、
なんとも密な6年でした。



後ろに見えるテルミニッロ山は
昨晩、雪化粧をほどこしました。
山おろしの風の冷たさが体の芯まで届きます。
澄み切った空気を体中に入れ込むと
「これだこれだ!」と体が反応してくれて
私たちが過ごした当時を思い出します。
そして、人の温かさは格別なものでした。
その恵まれた環境が、
なにもわからない私でも、
3人の子どもを産み育てることが
できたのだと思っています。

家族同然のようにしてくれたバッバは
まさしく私のイタリアの母です。
朝から夜まで一緒だったバッバのことを思うと
感傷的になりますが、
彼女から受け取った「慈悲の心」を
今度は私が示して行動する番です。
バトンを受け取った感じがします。

さて、今回のメニューは
「バッバのストラッチ」です。
バッバに「ストラッチを作るから」と言われたとき、
ストラッチはボロきれや雑巾の意味ですので
「なに?」と思ったものです。
オリジナルは
近郊の街アントロドッコのもので、
そちらはミートソースとチーズを巻いて焼いています。
バッバのストラッチは、
彼女のお料理へのクリエーションと、
家族の健康を思う気持ちと、
家族のリクエストが重なって、
この独特なストラッチになったのだと思います。
今回はちょうどキノコもありましたので、
ミートソースに入れました。
変化球がいくらでもできるお料理ですので、
いろいろと楽しんでくださいね。
やさしくて、ほっこりとした、このストラッチは
まさしくバッバそのものなのです。
この料理を作るときは
思い出にひたり、
思わす感謝の涙が流れます。
そんなセンチメンタルなメニューがあるのも、
素敵な事だと思っています。
どうぞお試し下さいね。


バッバのストラッチ

■材料(2〜3人分)

・生地
卵:2個
小麦粉:大さじ4〜5※今回は半分全粒粉
水:60cc
EVOオイル:大さじ1
バター:少々※焼く時に使用

・中身
リコッタチーズ:160g〜
ゆでほうれん草:80g〜
卵:1個
グラナチーズ:大さじ3
塩、コショウ、ナツメグ:お好みで

ホワイトソース:カップ1と半分(好みの分量)
レシピ203参照。今回は豆乳を使用しました。
ミートソース:カップ1(好みの分量)
レシピ7参照。
リエティ風ミートソースにキノコの炒めたものを入れました。

バター:適量※容器に塗る用




■作り方

(1)ゆでたほうれん草を
細かく切る。




(2)ほうれん草、リコッタ、卵、
グラナチーズを入れてかき混ぜる。



(3)中身の出来上がり。
お好みで塩、ナツメグ、コショウを入れる。
※私は何も入れません。



(4)生地を焼く。
フライパンにバターを溶かす。



(5)生地を流して
薄いクレープの様な生地を作る。
オーブンを180度に温め始める。



(6)焼く容器に薄くバターを塗る。



(7)容器にホワイトソースを少し敷いて
その上にミートソースも少し敷いておく。



(8)生地の上に中身を広げて
海苔巻状に巻く。



(9)容器に並べる。



(10)並べた上にミートソースをかける。



(11)ホワイトソースをのせる。



(12)グラナチーズをかけて
180度オーブンで20〜30分焼く。



はい、焼けました。
たくさん作って余ったときには
このまま冷凍にも出来ます。



なんとも言えないやさしい味です。
温かいうちにお召し上がり下さいね。
Buon appetito!



おまけ編

ほうれん草をがっつり食べたいとき用です。
ほうれん草の分量を増やして焼くときは
ミートソースとグラナだけで焼きます。
こちらも軽い味です。どうぞお試し下さいね。


 
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