KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の九百九拾壱・・・引き締める

ささ〜

北小岩 「過ぎゆく風が爽やかに
 頬を撫でてまいります。
 わたくしたちが近頃とんと
 モテなくなってしまったのは、
 爽やかさが足りないからでは
 ないでしょうか」
小林 「一理あるな」
北小岩 「これからは爽やかなものを
 積極的にとりいれていきたいと」
小林 「むっ!
 なんやあれは」
北小岩 「伝言板にこ汚い字が
 のたうちまわっております」
小林 「長老やな。
 『おまえら
  気がゆるみすぎとる』」
北小岩 「それだけでございますか。
 まったく爽やかではないです。
 どういうことでしょうか」
小林 「わからんが
 悪い予感しかせん」

ポツンポツン ザーッ ザザザザーッ

その日の夜は豪雨だった。翌日。

北小岩 「凄まじい雨でしたが、
 それにしても
 水たまりが多すぎる気が
 いたします」
小林 「水たまりに向かって
 道が傾斜しとらんか」
北小岩 「そうでございま」

ずるっ

北小岩 「あああああ!」

どぼん ぷ〜ん

小林 「大丈夫か!」
北小岩 「大丈夫ではございません。
 水たまりに見えていたものは
 深い穴で
 肥だめになっておりました」
小林 「なに!」
北小岩 「臭いでございます〜〜〜」

ずるっ

小林 「あっ!」

どぼん ぷ〜ん

小林 「しまった!
 俺まで落ちてしもうた。
 くっ、臭せ〜〜〜!」


パラパラ

その刹那、
いやらしい形のドローンが飛んできて
こ汚い紙をまき散らした。

北小岩 「長老からです。
 『ワシが子どもの頃は
  肥だめがあり
  落ちないように
  気を引き締めて
  生きていたんじゃ』」

小林 「えっ?」
北小岩 「『ところが
  おまえら町の男たちは
  ふやけとる。
  だもんだから
  水たまりに似た肥だめを
  たくさんつくってやったよ。
  落ちやすいように
  傾斜もつけてやったよ。
  秀吉には一夜城の伝説があるが
  俺は一夜肥だめだな。
  これで少しは気が引き締まるな。
  あははははは』」
小林 「・・・」

長老が築いた一夜肥だめ。
気を引き締めるためなら
他にいくつも方法があると思うが
長老に他の方法などないのであろう。
あきらめよう。

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2023-10-01-SUN

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