浪費家のおばあちゃんの、
思い出の味。

山椒が実のまんま入ってるチリメン山椒なんですけど、
めっちゃ小さいとき、３歳ぐらいのときかな？
もともと祖母の家で知ったんですね。

うちの祖母はこのチリメン山椒が大好きで、
なぜかわかんないんですけど、
水晶の小物入れの「チリメン山椒ケース」が家にあって、
私も小さい頃
「このふりかけはちょっと特別なんだな」
と思いながら食べていたんです。
「なんかおいしいけど辛い」みたいな。
そういう思い出がずっとあって。

そこからしばらくして、高校生ぐらいかな、
辛いものも食べれる年齢になって
デパートに行ったときに、
「あ、これ、おばあちゃんが好きだったやつだ」
って買ったんですよ。
で、食べたら、
「あ、おいしい」と感じることに気づいて。
それ以来、なんだか定期的に買っています。

その祖母は私が小学校に入学する前、
けっこう早くに亡くなったので、
思い出的な感じで買ったのもあるんですけど、
それは別として、すごくおいしくて。

‥‥だけどうちの祖母、すっごい浪費家で（笑）。
亡くなったとき、母も叔母もふたりとも
「お母さんかわいそうだったね」みたいな話に
全然ならないくらい浪費をしてて、すごかったんです。
先に亡くなった祖父が残した不動産の収入を
１銭のこらず使って、絶対につけなさそうな
重ーいネックレスとかを買ってたりして。

その浪費家の祖母が、水晶の器に入れてた
チリメン山椒がこれですね。

器がいまも実家にあるんですけど、
透明のフタがついてて、切子みたいな感じというか。
母に「これなに？」って聞いたら
「これはチリメン山椒を入れるものだ」
って言われて、
「ほかの使い道はないんだ」と思ったんですけど（笑）。
いまでも「あれはなんだったんだろう？」
って思うんですけど。

祖母は美食家で、いつもいちごとかも
めちゃ高いのを買ってたりとか、そういう人で、
その祖母が好きだったもの、というイメージです。
ちょっと高いですけどね。

人にあげても、けっこう喜ばれますね。
手土産って、お菓子とか、
甘いものになることが多いじゃないですか。
そういうときに、はじめて行くおうちとかに
「これ、好きなふりかけで」って渡すと、
けっこう喜んでいただけます。

東京でも買えますけど、
京都に行くと、おみやげで絶対買っちゃう。

わたしはいつも、シンプルに、
炊きたてのごはんにかけて食べてますね。
ごはんのおとものなかで、いちばん好きかもしれないです。
卵かけごはんにちょっとかけてもおいしい。
山椒の辛さ、手加減してないのがいいですよね。
私、ふりかけはそもそも使わないんですけど、
これはすごく好きです。
納豆かけごはんより好きです。

あとは最後ちょっと乾いちゃったようなときには、
オイルパスタに入れると、おいしいです。
魚なんで合いますね。
炊いてあるんで、しっかりだしがでるんです。

あ、わたし自身はぜんぜん浪費家じゃないです（笑）。
いいもの長く派で。
自炊もいつも、ほんとに普通のものを食べてます。
最近つくったの、豚ニラとかかなあ。