書籍『バンド論』を
若いバンドのみなさんに読んでもらう特集、
第1弾に登場してくれたのは
3月にメジャーデビューしたばっかりの
ガールズバンド、
サバシスターのドラムGKさんです!
バンド結成のエピソードから、
現時点でのGKさんの「バンド論」まで。
たっぷり全8回の連載で、おとどけします。
担当は「ほぼ日」奥野です。

>GKさん プロフィール

GK

9月26日生まれ。宮城県仙台市出身。サバシスターのドラマー、2023年結成ANOMIEのキーボードボーカル郷家万世として活動中。

>サバシスター プロフィール

サバシスター

22’03 爆誕新米ガールズバンド〟

Vo./Gt. なち
Dr./Cho. GK
Gt./Cho. るみなす

2022年3月結成。
心の中にあるトキメキやモヤモヤ、大切な人の大事なもの、そしてたくさんの感謝などを音楽に詰め込んだ歌詞と、 どこか懐かしさを思わせるメロディーでライブハウスを中心に活動中。
Dr.GKがネット掲示板(ジモティー)でバンドメンバーを募集。 当時上京したてのVo.なちと出会い、その場でバンド結成。 その後、ごうけと同郷のGt.るみなすに声をかけ、3人組ガールズバンドとして2022年3月よりバンド活動開始。

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第5回 バンドのドラムと、弾き語り。

──
お聞きするに、やりたい音楽の方向性が
一緒だったとかじゃなく‥‥。
GK
ぜんぜんちがうんです。
だって好きなバンドがバラバラなんです。
ボーカルのなちは
ハイスタ(Hi-STANDARD)が大好き。
ギターのるみちゃんはKEYTALK、
わたしは、さっきも言いましたけど、
amazarashiじゃないですか。
──
たしかに、系統はそれぞれですね。
GK
だから、バンドでやってる音楽って、
自分の好きな音楽とは、
別っちゃ別なのかもしれないですね。
いまのサバシスターがやってるのは、
メンバーそれぞれの
「好きな音楽」が
融合した音楽なのかなあと思います。
──
なるほどー。
GK
バンドをやるからには、
全員が楽しいって思えるような曲を
やりたい、と決めていたので。
──
メンバーそれぞれに
「好きな音楽」はあるんだけれども、
それらが合わさったとき、
どこにもない固有の音楽になる。
すごくバンドらしい話だと思います。
GK
そんな気がします。
──
先日おうかがいした渋谷のライブは、
大人気でぎゅうぎゅうでしたが、
はじめのころって、
どんなふうにスタートしたんですか。
GK
初ライブは、下北のSHELTERです。
もともと店長さんと仲が良くて、
「こんどガールズバンドやるんです」
って言って出させてもらいました。
初ライブには、
30人か40人くらい来てくれました。
──
一発目にしては、すごくないですか。
そのお客さんの数って。
GK
昔からの友だちとか、るみちゃんや
わたしが
それぞれにやっていたバンドの
ファンの人たちとかが、来てくれて。
でも、2回めからが難しかったです。
──
というと?
GK
3人しか来なかったこともあったし。
──
おお、そうですか。話ではよく聞く
「メンバーよりも、
お客さんのほうが少ない」状態。
本当にあるんですね、そういうこと。
GK
3回目とか4回目のライブは
ぜんぜんお客さんに来てもらえずに、
前に来てくれた人に
DМを送ったりして活動してました。
──
それが、1年半弱でライブ大盛況に。
GK
SNSで名前が知られていくことが
いまは多いと思うんですが、
サバシスターって、
何きっかけで知ってもらえたのかが、
よくわかんないんです。
2022年に「出れんの!? サマソニ!?」
のオーディションに受かって
サマソニに出ることができたんです。
そのときも、まわりから
「すごいね」って言われたんですが、
そのせいで
一気に人気が出たわけじゃなくって。
──
ぼくは「ジャージ」で知りましたが。
GK
TikTokでは、まあまあ
「ジャージ」が出回ってましたね。
でも、
そこまでバズったりとかはなくて。
だから、なんでこんなに
フェスに出れてんだろうなってのは、
自分たちでも謎です(笑)。
──
最初につくったのが「ジャージ」?
GK
そうなんです。いっちばん最初です。
まだ、なちとわたしだけの
ふたりだった時代にできた曲ですね。
──
いい曲ですよね。元気が出てくるし。
GKさんは、サバシスターの他に
ソロで弾き語りもやってますけど、
自分で歌うのって、
バンドとはまたちがう感じですよね。
GK
5、6年前くらいから、
趣味で作曲をやりはじめたんですね。
ただ、自分で歌おうという気持ちは
なかったんですけど、
下北CLUB Queへ飲みに行ったとき、
高橋さんと話していて‥‥。
──
あ、高橋浩司さんですか。
クラッシュのすごい本を出されてる。
GK
そうです、そうです(笑)。
高橋さんに、趣味で曲をつくったり、
家で弾き語りしてるんですって
言ったら
「空いてるときに、こんど出なよ!」
みたいに言ってくださって。
酔っぱらったノリで
「はい、出たいです!」と言ったら、
本当に出ることになりました。
──
それから、コンスタントに?
GK
長く続くとは思ってませんでしたが、
「シンガーソングライターの
GKちゃんも応援するよ!」って
言っていただいて‥‥。
そこから月イチくらいでやってます。
──
サバシスターではドラムで、
ソロでは
ギター弾きながらボーカルですけど、
それぞれ
自分にとってはどういうものですか。
GK
まったく別物だなっていう感覚です。
ドラムをやっているのは、
あくまでサバシスターのGKです。
やりたがりが、
やりたいことをやっている感じです。
──
なるほど。
GK
弾き語りの場合は、
「視界」が、ぜんぜんちがうんです。
──
視界‥‥見えている世界?
GK
はい。

(つづきます)

2024-04-15-MON

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    https://sabasister.com/

  • インタビュー撮影:石井文仁