バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「コロナになっても
隠さない?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「コロナになっても隠さない?!」

バブー

つい最近も、
「周囲の反応が怖くてPCR検査を拒否」
という日本のニュースを目にしたけれど、
みなさんは、もしコロナにかかったら、
周りの家族や友人や会社や学校の人に
それを言いますか??
言えますか??

人によって、社会的立場によって、
考え方や実際の行動は違うのだろうけれど、
全体的なイメージとして、
日本では「コロナの陽性」なんて出ちゃったら、
まるで悪いことをしたみたいに
見られる風潮があるのかなって感じがするんだ。

とのまりこ
私たちが今いるフランス。
これに関してはかなりオープンなイメージです。
それは去年の2月、3月、
世界中がコロナのニュースで持ちきりになり
初めてのロックダウンなどが行われた頃から。

「○○がコロナにかかって、
濃厚接触者であるって
通知が来ちゃった。」

「どうやら家族全員で
コロナになってしまったぽいから、
家にこもって
買い物も配達だけにしているんだ。」

など、コロナの疑いがあったり
実際かかってしまっても隠そうとせず
そしてそれを告げられたからと言って
大騒ぎになったりもせず、
淡々と事実を述べ、聞き、
対処するというイメージです。

バブー
もちろん、隠している人だって
いるのかもしれない。
隠していたら伝わってこないわけだしね。
だけど、隠す必要がないから、
隠さない人が日本に比べて圧倒的に多いのは
おそらく紛れもない事実。

現にボクたちの周りでも、
フランスに住む同じ日本人社会だけを見回しても、
数え切れないほど
コロナにかかった友人・知人がいて、
その数を考えたら、やっぱり
隠している人が多いとかは到底思えないんだよね。

とのまりこ
身近でコロナになって
学校や仕事を休んだ人たちを
思い浮かべても‥‥。

幼稚園や学校の先生、
お客さんの身体に触れて治療をする職業の人、
同じ学校のクラスの家族やベビーシッター、
個人レッスンなどすることが多い音楽の先生、
レストランのシェフや料理人やサービスの人たち
etc...

日本だったら「え〜っ!!」ってなって
なんならニュースやSNSでの攻撃の対象や
謝罪騒動なんてなってしまいそうな
身近な人がコロナになったと報告されても、
ひとつの事実として、
淡々と受け入れられるだけ。

「大丈夫?」
「どんな症状なの?」
「その後どうなった?」
「仕事の方は大丈夫だった?」

というような会話になり、
なった方も包み隠さず
普通に色々答えてくれる感じです。

バブー
日本だと、
芸能人や著名人とかがコロナの陽性になったら
「ご迷惑おかけして‥‥」みたいな
声明を出したりするでしょ?
もしくは出さなくてはいけない風潮なのかな。

学校の部活で何人か陽性が出たら、
保育園で何人か陽性が出たら、
「クラスター」なんて言われて
すぐ記事やニュースになったり
記者会見が開かれたり、
ってなっているでしょ?!

そりゃあ、なんだか隠さないと、
誰に何を言われるかわからないって
思ってしまうよね‥‥。

とのまりこ
例えば学校の感染例などでいうと、
我が息子、プチモンスターの通う学校。
幼稚園と小学校が同じ校舎なのですが
コロナ対策として、
「校門より中には親は入らない」
「登校・下校の時間には校門の外に
1列に並び、ひとりひとり消毒をしてもらって
校長先生の指示に従って順番に入る」
「給食や遊びの時間に他のクラスとは
混らないように時間を設定する」
など、厳しく様々な決まりがあるのですが、
それでもやっぱり
ちょこちょこコロナ陽性が発覚しています。

つい先日も、年中さんの副担任をしている
マダムが陽性。
(しかもこの陽性になった張本人が毎朝、
門のところで消毒液を
子供たちにかけてくれる役目だった人。)

→そのマダムと一緒に
 給食の面倒をみたりしていた
 息子のクラスの副担任や
 同じ教室で仕事をしていた年中さんの担任は
 「濃厚接触者」に。

→陽性の本人や濃厚接触者は1週間学校を休み、
 1週間後再び検査をする

なんてことがあり、学校からは
「○月○日、マダム○○が
検査で陽性になりました。
つきましては濃厚接触者となるマダム○○と
マダム○○も7日間自宅待機とし検査をします」
という明確でわかりやすい
実名入りの連絡が来ました。

それを受けても特に大騒ぎになるわけでもなく、
そしてもちろん、
陽性になった先生を責めるわけでもなく、
送り迎えで顔を合わせる親たちが話すのは
「これで濃厚接触者のマダム○○も
陽性って出ちゃったら、
来週うちのクラスは休みになっちゃうわよ。
それだけは困るから陰性であって欲しいわ〜。」
ってそんな内容なのです。

バブー
気をつけていたって、
いつ誰がどこで感染するかわからない状況。
「PCR検査を受けた」とか
「陽性になってしまった」ことを
秘密にしなくてはいけない世界よりも、
皆が普通に話して、経験者から話を聞いて
どんどん情報を得られた方が
いいと思うんだよね。

フランスのこんなところは
とてもいい部分だよね。
と、思うボクとまりこちゃんです。

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
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2021-01-19-TUE

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illustration:Jérôme Cointre